日誌2002年2月

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2月27〜28日

検索語が偏ると可笑しいという話を昨日、書いたのだが、あんまりバラけすぎるのも可笑しい。この2日間にあった検索語を順にあげると「ロズウェル 円盤墜落」「オーツキ ラショウ」「灰野 結婚」「北条一鴻」「ジャニス 裸のラリーズ」「イタチョコ オーツキ 写真」「RAKUWAネック」「アパートの管理人の仕事」……。

しかも、どの検索リストでもおおむね20位以内に入っている。

「北条一鴻」も「呉伯焔」と同じで、1月14日の日誌に名前を1回出しただけなのだが、@ニフティの検索だと、3件しかないヒットの中に私のページが挙がっている。北条一鴻氏自身のサイトさえ入っていない。@ニフティの検索は変だぞ。


2月26日

弁護士事務所に行き、介入を正式に依頼する。着いてからもどちらにしようかと迷っていたのだが、弁護士に「あなたには守るべきものがないじゃないですか」と言われる。単刀直入である。


2月25日

弁護士事務所に電話し、明日訪ねる約束をする。

カニノフチさんのところの仕事でまとまった入金がある。質屋に預けていたCDを引き取りに行く。期限を数日過ぎていたが、流れていなくて良かった。それらのCDを数ヵ月ぶりに聴いてみる。

夜、来訪者がある。申し訳ないが、そのまま帰ってもらう。


2月24日

「呉伯焔」を検索語にして、私のページに来た人がこの日だけで8人いた。呉伯焔については、占いのインチキ流派がらみで、武術でもいたよなという程度で1月14日の日誌に名前を1回出しただけなのに。

可笑しいと思える検索には、検索語自体が可笑しい場合と、その偏り具合が可笑しい場合があって、それが重なるとかなり可笑しい。今まで、アクセスログを見ていると、検索には偏りがあるように見える。クリティカル・シンキング風には、「偏りがあったときだけ覚えているからそう見えるのだ」というのかもしれないが。

ある日に特定の検索語が集中して、その前後にはまったくない。これは不思議に思える。


2月22日

TVで「ルパン三世――ルパンVS.複製人間」をやっていた。公開当時、映画館に見に行った。もしかしたら、自分で見たいと思って一人で見に行った最初の映画だったかも知れない。昔はルパン三世の大ファンだった。映画の出来は、今見ても雑だと思うが、当時もそう思った。1万年も生きてきた存在(マモー)が、ルパンに倒されてしまうことの作り込みが全然説得力がない。しかし、あれだな、映画の公開からもう20年以上経つのだ……。昨日の日誌に引用した俺様さん(悪魔さん)の独白に共感する次第。

クローンをネタにした映画やマンガというのは沢山あると思うのだけど、基本的に勘違いしているんじゃないと思うことがある。クローンというのは、言ってみれば遅れて双子の兄弟を作るようなものであって、クローンにはオリジナルの持っていた記憶はない。オリジナルの持っていた記憶を、クローンに移すのには別の技術が必要であるということ。それと、生まれたときに同時にクローンを確保するならともかく、人間速成栽培のような技術がなければ、クローンがオリジナルの代役にすぐなるということはできないだろう。両方の条件をクリアして、クローンを登場させる作品というのを私は見た覚えがない(『銃夢』に出てくるノヴァ教授自身は、そうした技術を持っているのかもしれない。脳もチップになっているから、記憶のバックアップは簡単だろう。けど、ガリィを肉体の破片から蘇生させるのは無理だと思う。ガリィの脳は生身だったのだから。教授の独自理論・「業子力学」の応用で記憶をどうにかできるのだろうか)。

夜、ある人から電話がかかってきた。夢の中で号泣して、その夢の中で私が冷静にその人の話を聞いて対応したこともあって、電話をかけてきたという。実際の電話でも、その人は号泣していた。「ヘプタパラバビロンノッホ」にある、夢で優しくしてくれたからという月村沙織からのお礼の電話も実話だが、他の人の夢の中での私の行動と実際の私がほとんど地続きに思われることがたびたびある。「お前なら人の夢に自由に出入りできそうだ」と面と向かって言われたこともある(もちろん、実際にはできない)。電話が終わる頃には、その人も落ち着いたようだったので、良かった。

みんな幸せでありますように。

この日、「会社の表札」という検索語でこのページに来た人があった。MSNサーチによると、ヒット9件の内、私のページが7番目に位置していた。そんな言葉を使ったことがあったかなと思ったら、先月の日誌に一度だけ使っていた。何で、これだけでヒットするのか苦笑。

最近はとんと御無沙汰だが、HM社での同僚だったN宮さんとの雑談を思い出す。N宮さんが読んだというある小説の話だ。作品名は覚えていない。色んなアンケートに片っ端から答えていた男が、データベース上での複合検索で、あらゆる問題のエキスパートとして見いだされるという粗筋だった。

色んな検索語で日誌に来てくれる人がいることは少し以前から知っていたが、最近、そうした検索で、私のページが上位に入っていることを見ることが多くなった。その言葉を使ったのは一度きりだったりするのに、専門サイトや熱烈なファンサイトと同列あるいは、それより高い順位に位置していたりする。検索ページでのリスト順の作り方というのは社外秘らしいのだが、結局、検索でのヒット数が多いほど上位になるのではないかと推測した。

Aという検索語で検索してヒットした回数と、Bという検索語でヒットした回数がどんどん累計されていき、その累計が高いと、Cという検索語でヒットしたときも上位になる……。そうでないと、1回使っただけの単語で私の日誌がリストの上位になる理由が解らない。それにしても、思い掛けない検索語で来訪されるというのは、面白い。今までで一番印象に残っているのが「クリシュナムルティ 側頭葉」という検索で来た人。検索にヒットしたのは、私のページだけだった。

自分で試すつもりはないけど、この推測が当たっているのなら、自分のページにあると分かっている言葉で、何回も検索をかければ、検索リストで順位を上げることができるのだろうな。


2月20日

仕事の合間に『グズの人にはわけがある』を読了。診断テストによると、私は「抱え込みタイプ」のグズらしい。ふむ。心配性と反抗者の要素はほとんどなく、残りの3つには「抱え込み」の点よりは少し低いものの同じ点数であった。ということは、グズの要素のてんこ盛りということだ。

掲示板で「こんなページもある」と「俺様流独善的ホームページ」を紹介したのが2月12日、その直後に無断リンクを張ったのだ。18日に掲示板が新設されたので、ここのURLを載せないまま、「勝手にリンクして紹介せていただきました」と投稿したところ、この日、下記のようなレスが付いた。

--〔引用開始〕----------------------------------------------------------------------

取るに足らぬ頁なのだが… 投稿者:** 悪魔 **  投稿日: 2月20日(水)20時31分48秒


 人生長いようでも実に短い….本当は,無駄に使える時間はないことに思い至る.
今頃になって気づいても遅すぎた俺様である.つまらぬページで道草を食っていると
浦島太郎効果で,あっという間に爺さん…. ** 悪魔 **

--〔引用終了〕----------------------------------------------------------------------

先方は、昨日の私の夢のことなど知らないはずなのだが、自分にとってはシンクロのように感じた。

2月17日に言及した、フーコーの振り子についてメチャクチャな屁理屈を書いた人が「自分の無知を隠すために、負け惜しみみたいなこと書いてしまって、本当にごめんなさい」と、その掲示板でレスを付けた。屁理屈を言ったことだけ日誌に残すと片手落ちだと思うので、記録しておく。

SKから返事のメールが来る。忙しくて、会いたいという申し出を全部断ってるから、帰国後に会おうという提案。それまでには、こちらも色んなことを片づけておきたい。


2月19日

うすボンヤリとした夢を見た。驚いて目を覚ましたとか、そういう類いの夢では全然ない。起きてからしばらくして、そんな夢を見たなぁと間欠泉のように思いおこされる――。そんな夢だ。夢の中で私の命は「明日で終わり」と決まっていた。「明日で終わり」と知った私は、慌てふためくでもなく、心安らかに受け入れるでもなく、「明日で終わりかぁ……。やろうとしていたことがほとんどできなかったなぁ」とぼーっとしていた。のんべんだらりとした夢。そののんべんだらりさ加減がうすら怖かった。

仕事の締め切りを延ばし延ばししているから、そんな夢を見たのかもしれない。

月末の入金日までの現金を作るために大予言に本を売りに行く。査定の間に棚にあったL・サパディン『グズの人にはわけがある』(ネスコ/文芸春秋)を立ち読みする。著者はグズ(「先延ばし症候群」と命名しているらしい)を次の6つに分類する。

1)完璧主義(完璧にしたい!)
2)夢想家(あんな面倒なことをするのは嫌だ!)
3)心配性(変わるのが恐い!)
4)反抗者(なぜ私がしなければならないんだ?)
5)危機好き(ギリギリまでやる気になれない!)
6)抱え込み(ほかにすることが多すぎて!)

立ち読みだからざっとしか読めなかったが、私は自分では危機好きと抱え込みに入るんじゃないかと思った。耳が痛い(目が痛い?)話が幾つもあった。お金に余裕ができたらこの本を買ってみようかというのも先延ばし症候群なんだろうな。

仕事の催促や債務の督促に、「蕎麦屋の出前」の電話のような話を繰り返していると自分のダメさを思う。そして、当たり前のことを当たり前にやれることは偉いと思う。

大予言で見たのはハードカバーだったが、同じ題の文庫本を本屋で見たような気がしたので、駅前の書店に行ってみる。新刊の文庫で平積みになっていたので買って帰る(昼間に見た古本より文庫の定価の方が安かった)。


2月18日

0時ちょっと過ぎにOJから電話がかかってくる。彼女のヨガの先生が、インドでお祈りの会をしていて、昨日がそのサマディから出る日だった。そのサマディから出るときに合わせて行われた瞑想会に誘われていたが、行ける状態でなかったので行かなかった。瞑想会の話になるかと思ったら、スチュワーデスのRの話をひとしきりする。

Rが変わってるよね、という話。私も人のことを言えた義理でもないかもしれんが。OJにしてみると、Rが自分では髪を洗わず、全部、美容室で洗うことや、自宅では風呂に入らず全部、仕事先のホテルで入ることが非常に気になっていたようだ。OJは単純にRが変に贅沢だと思っていたようだし、私もそれを初めて聞いたときはそう感じたけれど、この前、部屋の片づけを手伝いをしに行って思ったのは、散らかり過ぎて浴室が使えなかったのがその理由なのかもしれないということ。それでも変だけど。

昼、カニノフチさんのオフィスに納品。自分の仕事は他の人に見てもらうとアラがよく判る。恥ずかしい。

夜、SKからメールが届く。3月1日からイギリスのフィンドホーン(精霊の導きによる農場として有名)に行ってワークショップを体験してくるらしい。活動家である。他人事ながら嬉しかった。渡英前にお茶でもしようとメールを送った。


2月17日

以前、常連だった掲示板に久しぶりの書き込みをする。チベット仏教、クリシュナムルティ、D・ボーム、ホワイトヘッドという名前を繰り返して出していた投稿者がいた。別に人の趣味に意見するつもりはなかったのだけど、フーコー振り子の運動が宇宙の果ての天体によって引き起こされているという主張を得々としているので、それは勘違いじゃないんですかとやんわり書いたら、逆に人を小馬鹿にしたレスが付く。自分の間違いは認めないで色々な言葉で諭された。だから、それは科学的に変でしょと書いたら、やっぱり人を小馬鹿にしたレスが付いた。現象が力学で説明ついても、それより「コスモロジー」の方が大事なのだと。メチャクチャな理屈。

2ちゃんねるなら判るんだけどね……。そんなことじゃクリシュナムルティを読んでも無駄じゃないのかと思った。で、久しぶりにクリシュナムルティの伝記『クリシュナムルティ・開いた扉』(めるくまーる)を本棚から出して手に取った。読んでいて気がついた。今日は、クリシュナムルティの命日だった。

1986年2月17日にクリシュナムルティはこの地球を去った。その死を知ったのは2週間後ぐらいだったか、新聞の文化欄に載ったのだ(2月17日当日には全然記事にならなかったと思う)。もう地球はオシマイになるんじゃないかと、その時は思った。あれから16年も経つ……。


2月16日

掲示板で、嶋田久作の出演している「デジタル進化論」(NHK教育)のことを言及したので、言った本人だから一度ぐらいは見てみようとTVをつける。

時間を間違えて違う番組をやっていた。明和電機の土佐信道社長が出ている(これ書くのにサイトを見て知ったけど、お兄さんは定年退職してたんですね)。小学生に役に立たない変なものを作らせていた。役に立たない変なものを作らせて、人の作った遊びに夢中になるのはツマラナイ人、面白い人は自分で遊びを作ると授業していた。ふーん。

「デジタル進化論」を見る。そもそも掲示板での話題は、嶋田久作には怪人とデクノボウしか役がないんじゃないかと思っていたけど、「デジタル進化論」をたまたま見かけて、違う役どころもあるかと思ったということだった。で、改めて見てみるとやっぱりデクノボウ系だと思った。最初の話題ふりが間違っていたかも知れない。


2月14日

世の中はヴァレンタイン・デーということで騒いでいる。全然関係ないだろうと思っていたら、月月さんがお手製のチョコレートをおすそ分けしてくれた。ふははは。ありがとう。

チョコと、iBookにQuarkXpessのトングルを付ける部品を月月さんから受け取り、喫茶店で談話。人は変わるという話、人の思いというものの周辺を何度も廻る。

IMさんからメール。会社を辞めてしまうとインターネット接続の環境がなくなるので、いるうちに「お・し・え・て」とある。何か可笑しい。昨日のメールでも、社内の他の人に教えないのならすぐに教えてもいいと書いたので、URLを教える。

SMさんから電話時に不在だったことの詫びのメールが来る。文面に「ちなみにEW社はほとんど崩壊状態です」とある。気になったのでまた電話する。この日はSMさんは家にいたので、電話で会話。

女性5人しか常勤がいない会社なのだから、秘書に近い業務を担当していたIMさん1人が辞めても「崩壊状態」になるのかと思っていたら違った。5人のうち、数日しか在社歴の違わない古参(でも3年程度)の2人もほぼ同時に退職するのだという。それは確かに崩壊状態だろう。5人いた女性社員が一気に2人になるのだ。その2人の内の1人、Y瀬さんはダンディ社長との面と向かっての激しいやり取りの最中に卒倒し、ダンディ社長や仕事のことを考えるだけで自律神経失調症になるらしい。そのまま欠勤しているとのこと。SMさんは「自律神経失調症」と言ったが(とはいえ、この病名は患者向けには存在するが、こんな病気は存在しない)、話を聞いているとPTSDと言った方が近いのではとさえ思えた。辞める2人のうちのもう1人はオヤジ殺しのうまい美人なので、詳しい退職理由は知らないが、IMさんとY瀬さんの退職を知って、自分にしわ寄せが来るのを避けるために差し障りのない理由をつけて辞めることにしたのではないか、と私は憶測を述べる。SMさんは肯定も否定はしなかった。

しっかし、どうなるのだろう。辞めた会社だから知ったことではないけど。でも、Y瀬さんが可愛そうだ。


2月13日

カニノフチさんのオフィスに作業に行く。

帰ってくると、去年4ヵ月だけ在籍したEW社のIMさんからメールが届く。IMさんも今月末で退職するので、今度、先に辞めたSMさんと3人で飲みましょうとある。IMさんの会社でのストレスの一端については2001年9月5日の日誌に書いた。そうか、とうとう我慢の限界が来たか、と思った。

それと、自分で話した覚えはないのだが(それとも存在だけ知らせたか……)、IMさんが私のサイトのURLを教えてほしいとあった。飲むのは快諾、URLは会社に辞めた後に教えますとメールを送る。

夜、私より先にEW社を辞めたけど、助っ人で年末年始にEW社に通っていたSMさんに電話。留守電にまた電話しますとメッセージを残した。

前に日誌にURLを入れたイタチョコシステム(iTA-Choco Systems)の公式サイトがアクセス不能になって1週間ぐらい経っただろうか。
日誌で触れたあと、私は、結局『巨人のイタチョコの星のシステム』をBookOffで買った(2001年1月19日の日誌参照)。
そして、とてつもなく勇気づけられた。とんでもない失敗を続けながらも「決してアキラメないこと」と本を締め括ったラショウ氏。
イタチョコシステムのサイト見て、そうか今は「MacLife」でラショウ氏は連載しているのかと思っていたら版元BNNの倒産。で、イタチョコのサイトのアクセス不能。
どうしちゃったのかなと思って、根強いファンの掲示板を見たら、裏で個人サイトを始めたことを知った。それが今日のこと。ラショウ氏の日記を読むと、会社の住所にしていた神田店を家賃滞納で追い出され、住所不定のゲーム作家になっているらしい。イタチョコシステムの公式サイトがアクセス不能なのもサーバ費用を滞納しているらしいからと判る。嗚呼……。

というわけで、いまだにイタチョコのゲームをしたことのない私だが、ラショウ氏応援のための書き込みを掲示板に書いた。でも、野犬ロデムと荒野のにせチキン硬貨のTシャツは持っているのだよね(笑)。

この日、「ゴムの前掛け 写真」を検索語に私のページに来た人がいた。何を探したいのか……。


2月10日

Sからショートメールが届く。

「体調は最悪です。最近、やたら気持悪く吐くと血が混じっています。早く病院に行きたいのですが貧乏で行けないのが現状です」

……(哀)。体あっての仕事なのだから、病院に検査に行った方がいいよとメールをすぐ送る。


2月9日

夕方、電話してOJと会う約束をし、池袋で会ってお茶をする。長いこと話す。ものごとに対する「チューニング」という表現がOJから出てきて、いい表現だなと思った。

2月7日に職場を辞めたOJは現在無職なのであるが、大戸屋で食事をおごってくれた。それじゃ足りないでしょ、とお替りまで注文してくれる。ありがとう。


2月8日

8日0時近くに電話が鳴る。出るとRだった。部屋の片づけを手伝ってほしいと前に打診されていた件。0時だというのに今、カーペットのクリーニングをしてもらっている最中だという。前の電話では8日の午前中に(つまり当日朝に)その日の作業があるかないか電話で知らせると言っていたのだが、この電話では明朝7時に来て欲しいという内容になった。非常識な時間だなと思ったが、体が思うように動かなくてずっと部屋が片づけられなかったというから受け入れる。

明朝7時にRのマンションに着き、入り口で部屋番号を押すがなかなか返事がない。しばらくして返事が来たが、驚いている様子。

とりあえず入ってと言われ玄関を入り、部屋まで行くとRは寝間着で出てきた。今の今まで寝ていたらしい。着替えるから座って待っていて、と言ってRは別室に消えたが、待たされた部屋には椅子がないので立って待つことになる。割りと高いマンションであろうに廊下はRの出した物やゴミであふれいていた。まるで引っ越しの途中のよう。部屋の中も雑然としていた。病気で疲れているから片づけられなかったという範疇ではないように感じた(私でもこんなに散らかしたことがない)が、寝たきり生活が続くとそうなるのか。まして、Rが礼法やら風水やらに高いお金をつぎ込んで習っていることを考えると苦笑しそうになる。

パン食べる〜?と言われたので食べると答える。トースターに入れたパンは真っ黒焦げで出てきた。なんで料理教室にお金をつぎ込んでいてこうなのか、これも解らない。さらに解らないのは、その直後にもう1つ入れたパンも黒焦げにしてしまったことだ。さっきのより時間を短くすれば、そうはならないのではと私は思うのだが。トースターにパンを入れて、他の用事に忙しそうにしている(ずっと忙しそうにしている)。ふと私が見ると、トースターからもうもうと煙が出ていて、止めた次第。解らない。

力仕事があるのかと思っていたのだが、そもそも何の作業をしてもらうかも決めていない様子だし、作業の順番も決めていない。順番も決めていないのに忙しいそうにこまごまとした作業をしながら私と会話するRに、それ止めて、先に順番を決めようよと提案した。酔っ払い同士で一人が酔いつぶれると他の人間の酔いが覚めるという話があるが、あれと同じなのか、最近グズになってきているしダンドリが悪いなぁと自覚していた私だが、Rのダンドリのなさにダンドリ能力がしゃっきとした感じだった。

優先順位を決めて作業にとりかかる。にもかかわらず、Rは行った先で、またこまごまとした作業を始めたりする。

両隣が個人宅でなくて会社なのが幸いと言うか、だから廊下にドサドサものを置くクセがついていると言うべきか……。

そういえば、あんまり使い込んでいないと言っていた数百万円する波動機器は、台所のガス台の上に置いてあった(料理ができないはずだ)。その波動測定器の上にコーヒー・ドリップが置いてある。わからん……。

ガス台のあるところだから、そこはレンジフードの真下なのだが、そこに護摩祈祷してもらった護摩札が重ねて置いてある。これもここに置くセンスがさっぱりわからん。

作業を終えて昼飯をおごってもらった。

夜、またRから電話がかかってくる。夕飯を食べていないのなら一緒に夕飯を食べようという話。Rはフジコ・ヘミングが好きなのだが、部屋を片づけていてまったく同じフジコ・ヘミングの本が2冊あることに気づいたという。「読み終えてまで気がつかなかったのは初めて」とR。「ふ〜ん、読んだのを忘れてたわけだ」と差し障りのない受け答えをしたつもりだったが、「違うの……」と言って、その本の粗筋を説明し、2冊目を買うときに前のと同じかどうか写真や絵を確認したという話を延々する。ディティールに本筋が消えてしまうのがRの話の一つの特徴である。ひとしきり聞いて「だから、読んだのを忘れていたということでしょ」ともう一回、私は同じことを言った。

帰宅すると兄から留守電あり。電話をしてみる。母が兄に内緒で貸してくれていたお金のことが知れたので、ひどく罵倒される。兄の言ってることは正しいのでほとんど黙って聞いていた。

「お前は、はじょーしている!」と繰り返す兄。そう言われながら「兄さん、それ『破綻』でしょ」と小声でツッコむ私。「お前のカルマだよ、カルマ」。ついぞ、そんな単語を使わぬ兄だが、私への当てつけか、そんな言葉を使った。自業自得というのはまったく正しいわけで、それも黙って聞いていた。


2月8日

Sに手紙を書く。しかし、まぁ運の悪いことが続く人だ。Sのことを最初にこの日誌に触れたのは2000年の12月19日のこと。今もSの基本トーンが変わらない(哀)。


2月7日

自分がどんどんグズになっていると思い、グズを直す参考になる本を物色。斎藤隆『「できる人」などこがちがうのか』(ちくま新書)と同著者の『身体感覚をとり戻す』(NHKブックス)を紀伊国屋で買う。帰り道の古本屋で『いまやろうと思ってたのに――かならず直るそのグズな習慣』(光文社)を買う。

前2冊はその日のうちに読了。読みやすかった。著者の斎藤隆氏は「上達力」という用語を使う。この人、高岡英夫の運動科学研究所で『スポーツ・武道のやさしい上達科学』(恵雅堂出版)という著作も書いているのだが(というか、この本の著者だったということを改めて知ったので、前記2冊を買ったのだが)、この人の著者略歴には『スポーツ・武道のやさしい上達科学』は出てこない。参考文献にも出てこない。本人のサイトのお勧め本の中にも高岡英夫の本は1冊も入っていない。袂を別ったと考えればいいのだろうが、『スポーツ・武道のやさしい上達科学』にまったく言及しないで同じような題材を書くのは文筆業のありようとして少々疑問に思った。

手紙が届いたと文通相手のSからメールが届く。職場の嫌な奴にあることないことを言われ、会社を辞めたらしい。今はゲームセンターでアルバイトをしているとある。7つも年下のアルバイト同僚の女の子に生意気な口を叩かれてストレスになっているともある。

「昨日は朝9時から夜の24時まで3時間の休憩を入れたきり働き詰めだったのと、職場と友だちとの事でのストレスが溜りお酒を飲みました。いつもはサワー3杯じゃ酔わないのに酔いました。今朝は二日酔いで気持ち悪く吐いたら少しですが吐血しました。ストレスって怖いと思いました」

……。メールで返事を書くには、Sの携帯メールは字数制限が少なすぎるので、返事を手紙で書くことにした。

この日は「大学入学費用」という検索語で、このページに来た人がいた。MSNサーチだと5番目に、私のページが位置している。わからん。


2月6日

土日に洗濯をしなかったので洗濯。乾燥機のあるランドリーへ歩いていくと、あるゴミの集積場に美容師や理容師の使うカットモデルの頭だけが5個並んで置いてあった。VOW的な光景である。乾燥機と家を往復するうちに首たちは消えていた。

夜、クゥクゥという小さな音が外から聞こえる。外に出てみるとカエルが二匹もぞもぞしていた。天気予報の番組によると3月並の陽気だというから、それで出てきたのだろう。それにしてもまだ一度も雪が降ってないのに、こんな時分に出てきてどうするのだろうと思っていたが、次に外へ出たら、早々と一匹が自動車にひかれてぺしゃんこになっていた。合掌。

カレンダーを直接シーガルに注文する。書店で買うより安くなるらしい。

この日、「うつ病 地獄 転職」という検索語で、私のページに来てくれた人がいた。


2月5日

今年のカレンダーをまだ買っていなかったので買いに行く。去年と同じものを買おうと思って去年の12月のページを持って、買った店である新宿の紀伊国屋書店に尋ねる。この時期には取り寄せることができないというのは先に決まっているらしい。では、会社名を教えてもらえませんかと言うと、台帳をめくったりして数分間調べていたが、「判りません」という答えだった。隣のアドホック店にはあるかもしれませんよ、と店員に言われたが、アドホックに目当ての品の在庫がないのは確認済みだったし、大体品ぞろえが同じであろうが……と思いつつダメ元でアドホックの店員に尋ねたらアッサリ会社名がわかった。丁寧に案内のコピーまでくれた。同じ紀伊国屋でこうも違うものか。

月齢と東京湾の潮汐が載っている「タイド・カレンダー」は株式会社シーガル(電話03-3357-9256)の製品だった。


2月3日

喪中だがもらった年賀状に寒中見舞いで返事を書くべきところ。立春前日のこの日、それを書いた。Sにも手紙を書く。ひとりで立春を祝う。


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