死なない極意とその結果

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ビル清掃のアルバイトをしている頃、先輩社員の人と雑談したときの話。ビルの外側のガラス清掃は、ゴンドラかブランコに乗って行う。

私がビル清掃のアルバイトをする前、高校生の時、帰宅の途中で、子どもがブランコのひもの端を持って「わーい、わーい」とはしゃいでいた。上のブランコに乗っているおっちゃんは「ばかぁ! やめろぉー」と顔を真っ赤にして叫んでいた。でも、子どもは全然気にかけずにひもを振り回してはしゃいでいた。

その話を、実際にガラス清掃をしている社員に話したら、唖然としてた。

でも、子どもがイタズラしなくても風に煽られて落ちることもあるのだという。そうした時の極意は、逆らわずに落ちることだとその社員は話した。

「下手にしがみつくと、かえって変な姿勢で落下するんだよね」

「落下したことがあるんですか」

「あるよ」

その社員曰く、ヘルメットを被っていたから頭は平気で済んだのだが、全身の骨を骨折していて、痛くて痛くてたまらないのに身動き一つとれないのだと。しかも、一人で作業していたから、しばらくその状態だったという……。


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