日誌2002年7月

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7月27日

1週間前に頼んだエアコンの修理が来る。このエアコンを買ったのは、2年前の夏だ。本体の保証期間(1年)は過ぎている。が、暖房には使っていないので、私としては、一昨年の夏と去年の夏にしか使っていないという感覚である。それしか使っていないのに故障して有償かよ、という気持はかなりあった。

どんな症状かというと、風が出ても、全然涼しくないのだ。最初は、1年ぶりだとすぐに冷風が出ないのかと思っていて、気温があまり暑くないうちは、窓を開ければすぐに涼しくなることもあり、その重症ぶりに気づかなかった。

窓を開けてもどうにもならなくなったとき、ようやくその重症ぶりに気づいた。これは堪らんと冷房のスイッチを入れて最初の数分は、自分の温度感覚がおかしいのかなとも思った。が、試しに設定温度を最低(17℃)にし、1時間運転しても、部屋の温度計が33℃のままだった。機能が低下してるどころの話ではない。まったく機能していないではないか。これはダメだと電話したのだ。

取り扱い説明書には、修理の申し込みは買ったお店にどうぞとあるのだが、買った店(ヨドバシカメラ)に電話したら、保証期間が過ぎてるのは、メーカに直接電話して下さいと言われて、メーカに直接修理を頼んだのだ。

堪え難い暑さを解消したかったが、修理に幾らかかるかも気掛かりだった。パソコンなどサービスマンが出張してきただけで3万円とかとるし。

こちらは手許不如意なのである。

が、来訪した修理の人は、保証書を見せて下さいとも何も言わず、すぐに作業にかかる。調べた結果は、冷媒のガスが抜けていたことらしい。保証書によると、冷媒については5年保証とあったので、これは無償で済むかと思った。

で、実際、無償だったのだけど、修理の人は、「これどこで買ったのですか?」とだけ尋ね、「今回は無償です」とも「冷媒ガスの交換は5年まで保証されてますので」とも一切言わず、「じゃ、修理が終わりましたので」と言って去っていった。

私の心配は杞憂であったのだけど、しかし、保証書にも修理代にも一切言及しないとは思わなんだ。

でも、冷房できるようになってメデタシ、メデタシ。本当の冷房は、スイッチを入れた瞬間に冷風が出てきた。

それが当たり前なんだろうけど、1年前の冷房の記憶なんてないものだ。


7月23日

1週間ほど前から、SMさんに電話をしていたのだが捕まらなかった。24日にはフランスに向かって飛び立ってしまうから、その前にお茶がしたかったから、電話をしていたのだ。

が、前日になってしまった。

携帯に電話して捕まった。「すみませ〜ん」とSMさん。

おまけに部屋を引き払ってしまっているじゃないか。ということは帰国したら、彼女の住居は全然近くない。

それでも帰国したらお茶しようと約束。

パリで落ち合うというIMさんにヨロシクということを含めて、色々歓談。

無事に二人が帰ってきますように。


7月22日

初出勤。通知から1週間もあったわけだが、受け入れ体制は出来ていなかった。

とても奇麗なオフィスだ(ドイツの森をイメージして作ったオフィスだという)が、席がそこしか空いていないという理由で一緒に働く人と離れた席が私にあてがわれた。左右の席の人は部署こそ一緒だけど、担当する仕事は全く別。

これでも読んでてと渡されたのはA4で5枚程度の資料(しかもほとんどイラスト)。面接の時には、1ヵ月前ぐらいに入社してほしかったぐらいと言っていたのだけど、この日の作業は何もない。

3時になったら帰ってもいいよ、と言われたが、それでは4時間労働になってしまう(稼げない)。あれこれローカルネットワークの中身を見たり、グループウェアの操作を試したりして、7時まで粘る。

職場にいて、することがないというのはツライ。


7月15日?

11日に面接した会社での採用が通知される。すぐに働きたいところだが、22日から出勤ということになる。


7月12日

1日飛んでまたカラオケ曲目集の校正の仕事。この日は、私ともう一人しか派遣がいなかった。

小柄で可愛い女性だが、恐らく歳は30代中盤だろう。愛想がいいというか、愛想を良くしていないと落ち着かないとでもいうべきか。あまり話しかけやすいとも思われない私に話しかけてくる。無視するのも悪いので、話相手になっていると、「手ぇ、止まってません?」と主任が注意に来た。

実際には手は止まっていなかったのだけど、確かに校正の仕事は話ながらはできません。

その女性は、派遣で生計を立てているが、本分は、音楽の演奏家らしい。そのための海外生活も長かったらしく、日本の事情に疎いようだ。カラオケ曲目集を見て、「これ、どこに歌詞が載ってるんですか」などと主任に尋ねていた。

またそれを本人が笑い話として私に直接話してくれる。「歌詞、載ってないのが当たり前なんですね(笑)」

あんまりカラオケに行かない私でもそれは知っている。

仕事の後、その会社の場所からなら月月さんの新居に近かろうと思い電話してみたが、通じなかった。

というわけでまっすぐ帰る。


7月11日

朝9時半に待ち合わせ。先月末に面接した会社を紹介してくれた派遣会社とは違う派遣会社の面接であった。

少し早めに着いて、駅のコーヒースタンドでコーヒーを飲む。

約束の時刻より少し前に改札に戻ると、目印の青い封筒をカバンから取り出している人がいる。近づいて声をかけた。

落ち合った営業の人は、髪がうすく眼鏡をかけて細身の人。人の良さそうな顔をしている。

派遣先の会社に行く前に打ち合わせをしましょうと、駅を出て少しの所にあるコーヒーショップに入った。

先方との約束は10時だから、10分前ぐらいにここを出れば大丈夫です、とその営業の人は言った。でも、説明をしていたら、コーヒーショップを出るのが9時55分ぐらいになってしまったのであった。

先方の会社に着いたら遅刻。内心、この営業の人の感覚に不安を覚える。幸い、出てきた社員の人は、時刻にうるさい人ではなかったようだ。良かった。

社員食堂で面接。面接官二人も人の良さそうな感じの人であった。おおらかさが伺える。

編集といっても、実務はなく、コーディネートが仕事なのだという。そういうのは得意ですか?と尋ねられた。正直に答えるなら、「得意ではない」。が、それを言ったら採用されないし、経験がないわけでもない(雑誌の編集は、コーディネートの仕事でもある)し、また、それは自分に今、必要とされる訓練であろうと思ったので、言葉を選んで嘘を言わないように答えた。

面接後、その会社の場所が、智禾さんの住まいに近かったので電話をかけてみる。ちょうど在宅していたのでお邪魔した。

お昼ご飯を御馳走になった。御馳走さまでした。


7月10日

この日は、朝からカラオケの曲目集の校正の仕事。

昨日アから始めて、一応、川本真琴を突破。少し嬉しい。

仕事はまだまだ終わらないので、一杯残業したかったのだが、豪雨が近づいているとかで、定時と同時に正社員がほとんど姿を消し、主任の人が「今日は、早く上がりませんか」と言うので、5時15分で終了。

家に着くまでは雨には降られなかった。もっと働きたかった。


7月9日

新宿のA会の事務所へ。仕事の打ち合わせの後、無理なお願いを会長にする。応じて下さって、ありがとうございました。

その後は、単発で入った派遣の仕事のため移動。

A会での用事が長引いたため、遅刻必至で焦ったのだが、前の日の晩になってから頼まれたこともあるのか(そんな時間帯に打診してくることから他に人がいなかったと思えるし、私が断っても元々であった様子)、派遣会社に連絡するとあっさり承諾してくれた。まったく気にもかけていない様子。

久しぶりの仕事は、カラオケの曲目集の校正であった。

ふ〜ん、色んな名前の曲があるのね、と少し感慨を持つ。

自分の座っていた席の真上の空調が故障しているので修理するとかで、私だけ派遣社員達の集まっている席から外されて、正社員の只中の空席に移動。

正社員が、する仕事がないようで雑誌を読んだり、ずっと暇つぶしをしているのが、なんか変な雰囲気。

私の隣の男性社員が舟をこぎ始めたら、さすがにそれはマズイと思ったのか、主任が小突きに来た。

明日も来てくれませんか、ということで翌日の仕事も決定。


7月3日

真理子さんから電話がある。

「今、いいですか」

と聞かれ、働いているでもなし、ええ、いいですよと応えて、2時間ほど通話。

やっぱり、そうは簡単に納得はできないのだろう。


7月2日

以前、あるミュージシャンのポスターをあげた人と会ってお茶をする。

最初は、先方が自動車なので私の家の近くまで来てくれると言っていたのだが、渋滞だかで思ったような時刻に辿り着けないと電話があり、お茶の水で会うことにした。

これに先立ち、私は何度かメールをもらっていた。そのミュージシャンについて話がしたいという。話だけなら電話でどうですかと言ったのだが、出来れば会って話がしたいとのことだった。

その人とは、ネットで知りあった。自分にとっては要らないけれど捨てるのも忍びないポスターを欲しい人を、そのミュージシャンのファンの掲示板で募集したら、その人が応募してきたのだ。その時にポスターをあげることについてのやり取りしかしていない私に、会ってでなければ話せないこととは一体何なのだろうかと思っていた。

翌日に、掲示板で自分のことを「真理子」と名乗ったので、その相手のことをここでも真理子さんとして書くことにする。

食事をとった後、ルノアールに入った。

マニアと言っていいほどのファンであった真理子さんは、そのファンぶりを買われてだか、そのミュージシャンの方から、スタッフにならないかと言われ、それに応じたが、3ヵ月でクビになったのだという。その間の理不尽な出来事を私に話したかったようだ。

要は納得がいかないのだろう。

そして、そのミュージシャンが自分の仰ぎ見た存在であったために、否定するにも否定しきれず、そのミュージシャンから否定された自分とは、と悩みがぐるぐると尾を引いているようであった。

その悩みのせいで精神科にかかっているという彼女であったが、彼女の担当医は、そのミュージシャンの性格はこうこうで、相手が悪かったのだから、忘れなさいとだけ言ったそうだ。

「忘れなさい」だけで忘れられるなら、精神科医でなくてもいいんじゃないかと思うのだが。それでお鉢が私に回ってるのも不思議な縁である。

結局、真理子さんの思考形式や常識で測って納得ができないのである以上、「そのミュージシャンの行動原理からしたらこうなるだろう」という形でしか納得はあり得ないのではないかと私は考え、それを解説した。

都合5時間ぐらい話したろうか。精神科医ができないことを私ができるわけでもなく、真理子さんが納得しきったわけでもなかったけれど、少しは気が楽になったようだった。

ミュージシャンに酷評されたという運転についての感想が欲しいということもあって、彼女は私を家の近くまで送ってくれた。別に酷評するような運転ではないと私は告げた。

家に着くと、もう空は夕暮れであった。

夜、真理子さんから電話。お礼を言いたかったとのことだが、話の続きの方が長くなる。

派遣会社から今日も連絡がないので、こちらから問い合わせると、結局、撥ねられた模様。


7月1日

数駅離れた専門古書店に本を売りに行くために駅へ向かった。

エスカレータに乗ると、前に立っている男が、エスカレータに乗った途端にタバコに火を着けたのだ。

「こんな所で吸うなよ」

と私は言った。

「あぁん? 『こんな所で吸うなよ』? そう言ったのか?」

と振り向いた男は言った。年の頃は20歳ぐらいだろうか。小柄でひげ面の青年だった。

「そうだよ」

「おめえ、俺の何だよ? え?」

「こんな所で吸うなって言ってるんだよ」

そんなやり取りがエスカレータが上に上がりきるまで続く。上がりきったところで、その男は振り向いて立ち止まった。そのまま上がったらぶつかってしまうので、私は右手で男を突いた。

「先に手ぇ出したな。お前はヤクザか? あん? お前は相手が74歳の老婆でも同じことをするんか?」

「相手が老婆ならしないよ。ここじゃ上がる人に邪魔だから、そっちへ行こう」

場所を変えて続き。

「老婆にはしないのに俺にはするのか? 突き飛ばされて俺が骨折でもしたら、どうするんだよ、オイ」

「骨折なんかしてないだろ」云々。

手を伸ばし私のシャツの襟首を彼が締め上げる。しょうがないのというか、応対すべくこちらも向こうのシャツを掴んだ。

私は大抵シャツを第一ボタンまでかけていて、その日も第一ボタンまでかけていたから、息が詰まりそうだったが、向こうはランニングシャツである。シャツが伸びるという、彼にとって嫌なことはあっても、息は詰まらない。

「なんだぁ、その眼は、オイ」

ぐいぐい押されて鉄柱に押さえつけられた。手でも出してくれたら、乱戦に持ち込めるんだけど、その辺、奴の方が上手だったようだ。締め上げるけど、決して殴打はしてこない。

本当は押し問答はもうちょっと多かったのだけど細かく覚えていない。概略は上記の通り。

駅員が駆けつけて声をかける。「手は出しましたか?」

「こいつが出したよ」と男がふてぶてしく言う。

「手を出したら交番の管轄です。じゃ、交番に行きましょう、交番へ」と駅員。

二人で交番に行く。男は腕を組み、脚を組んで、顎を上げてこちらを睨んでいる。横柄な態度だ。

「先にコイツが手ぇ出したんだよ」

手を出した経緯を警官に言う。手を出した以上、駅舎の管轄でないので、交番に回されてきたが、交番の警官は警官で、こんなことに係うことがバカらしいようで、早く終えたい様子であった。

減らず口というか、男はよくしゃべる。

曰く「関係ないのに『吸うな』と言われた」

曰く「老婆には注意しないというのに、俺には注意するとか言う。ワケわかんねえよ」

曰く「コイツが先に手え出したんだよ」

こちらを見ては、「黙ってねえで、早くしゃべれよ」「何笑ってんだよ」「指さすな、コラ」」などと言う。

警官からすると私が悪いらしい。で、二人で納得しないなら警察署に行くことになり、最低でも2時間ぐらいかかると告げた。

「オレは構わないよ。こんなことで妥協するつもりないから」と、その男。あくまで強気だった。

私もそう言いたいところであったが、2時間経つと古本屋が閉まってしまうのであった。そして、先に手を出したことになっているという負い目がある。

お互い謝って終わりにしたらどうだ、と警官は言った。

「コイツが謝るならいいよ」

「わかった。先に手を出したのは謝る。けれど、エスカレータでタバコを吸うのはやめてくれ」

「ああ、わかったよ。悪かったな」

と男は腕組みし、脚を組んだまま言い始め、言いながら交番を出ていった。

「なんだ! それが人に謝る態度か!」と私は怒ったが、警官は後を追いかけるでもなし。

ぶすぶすと嫌な気持ちがくすぶる一日となった。

週末に面接した会社について派遣会社から連絡がないので、こちらから問い合わせると、まだ検討中だということだった。翌日には連絡を寄越すのという話と随分違うじゃないか。


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