日誌2001年6月

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6月30日

部屋でうとうとしていた午前0時半、電話が鳴って出ると聞き覚えのない女性の声。「本当にごめんなさい、明日1日だけ出て下さい。お願いします。本当にお願いします」 あの現場作業の会社からだった。こんな深夜に、しかも1年以上仕事に入っていない人間に電話してくるのだから、よほど人手が足りないのだろう。その旨、言うと確かにそうなのだという。全然知らない人だが、「すみません、1日だけでいいから出て下さい」と繰り返し懇願されると気持ちがゆらぐ。が、冷静になって考えて、たまっている自分の用事をしないで、その作業に行くというのも何だかおかしいと思い、ずいぶん長いこと懇願されたが、こちらが謝って断る。

Yのことを思い出しながら眠りにつく。

昼過ぎまで何も食べなかった。食事に出てその途中で昨日撮った写真を現像に出す。20コマ以上未撮影のフィルムが残っているので、「いいですか」と尋ねられたが、別に他に撮影するものもないのだからいいのである。食事の後、写真を取りに行く。一応撮影した写真は全部写っていた。ツーショットは、ちょっと感涙気味の私が涙目で情けない。しかし、写真に写っているYを見て、何とも不思議な気がする。幾つも写真を持っているが、写真ごとに随分と顔が違う。簡単に言うと、写真だけ見てると同一人物に思えない。写真に収まらない人とでも言うべきか。

夕方、Rから電話がかかってくる。一緒に食事にしようという誘い。彼女の家の近くのイタリアン・レストランへ行く。そこは店先にもテーブルがある。「中と外、どちらがいい?」と訊かれたので、私は「中がいい」と答えたら、「なんで?」とRはごねた。だったら訊くなよ。なぜ中がいいと私が思ったかというと、その外のテーブルは隣のビルの空調の排気が直撃していたし、その店が面する通りの車の往来だって決して少ないものではなかったから。私からすると、なんでこんな空気の汚いところで食事をするのかなと思った。Rの希望通り外で食事をしていたが、食事が進んでから「ここ、風が強いね」とRは言い、結局、中に移動した。

同僚との会話で必要だから、とかでRは「動物占い」の亜流の本を買っていた。Rも私も黒豹で、そのレストランの店主も黒豹であった。Rが店主の奥さんの性格も見てあげると言って、奥さんの生年月日を尋ねる。結果を聞いて、「当たっているかも」と言った店主は、しばらくしたら、「“彼女”との相性を見るから、ちょっと貸して下さい」と言ったかと思うと、奥に引っ込んで真剣な眼差しで本と睨めっこしている。「奥さんと彼女は違うみたいね」とR。

動物占いが石井個性學のパクリであることは前にも説明したことがあったけど、どうもRは動物占い自体が正統の石井個性學だと思っていた模様。それなら「パクリ」とは言わないのだけどね。現在は違う形になってしまったけれど、元々の石井個性學は四柱推命から来ていて、そのことはRは知っていた。

「これで彼氏と結婚相手を決めるのよ!」とRが言ったら、レストランの店主が苦笑していた。冗談で言っていないというのが判るだけに私も声を出さずに苦笑していた。Rは「感情豊かな黒豹」とかいうのらしく、その性格説明の中に「現実感覚がない」という箇所があって、レストランの店主はそこを読み上げて「現実感覚ないでしょ?」とツッ込んでいた。「そうなのよ。私、現実感覚ないの」とRは真顔で返答。Rも一応30代なんですけどね。

帰りの電車でもYのことを考えていた。


6月29日

「用事があるので」と言って職場を5時に後にした。一路浜松町へ向かう。モノレール出口付近で待つこと20分あまり。私が待っていた出口とは違う出口から出た彼女は階段を上ってきて、笑顔で私に挨拶した。半年ぶり。まずはハグ。

去年、一緒に行ったジャズ蕎麦屋で食事と考えていたのだが、行ってみると花金ということで予約客で一杯だった。仕方がないので、別のこだわり蕎麦屋に向かう。

途中にある酒屋に彼女の飼い猫を恰幅よくしたような猫がいるので、そのことを彼女に告げると、ちょうどその猫が店の真ん中で伏せて店先を見ていた。その猫の姿を見て彼女は「あっ、●●●だぁ」と飼い猫の名を叫んだ。オカシイ。飼い主公認のそっくり猫。

もう一軒のこだわり蕎麦屋に入ってみると、こちらは客が一人もいなかった。「水やお茶は出しません」「煙草・携帯電話お断り」「有機農法無農薬の材料のみを使っております」という風な店。

その店のオリジナル・ビールを注文。再会を祝して乾杯。まぜものなしのビールで、味わい深い。彼女はとろろ蕎麦、私はおろし蕎麦を頼む。美味しかった。彼女がおごる約束だったので、素直に御馳走になる。小食な彼女は食べきれなかったけれど、味には御満悦な様子であった。

うちへ寄る道すがら、「少しは恩返しができたかな」と彼女が言った。半年前は彼女の半生で一番苦しい時だった。その時、一緒にいることで少しは彼女の役に立てたなら、私の方が嬉しい。あの後、もう二度と会えないと思っていたから、会えるだけで嬉しい。

「いらっしゃい」ではなくて「お帰り」と言って、私は彼女を迎え入れた。「ただいまー」と彼女は応える。部屋で談笑。「私のどこがいいの?」と最近何回か尋ねられた。「嫌った方がいいの?」とその都度答えた私。もしも「嫌ってくれ」と言われたら、彼女の頼みだから、叶えようとするだろう。どこがいいという質問にきちんと答えるのは難しい。強いて言うなら、「切なさ」への感覚が似ていると感じているから、と言えるかもしれないが、これが主な「理由」かというと非常に怪しい。

今までJPEGファイルでは彼女の写真を幾つも持っていたが、紙焼き写真では持っていなかったので、フィルム付きレンズで何枚か撮影。腕を伸ばして2ショットも撮ってみた。うまく撮れているといいのだけど。

彼女は私の半生で一番大事な人だ。私の運命の人。(でも、本人談によると彼女は色んな人から「運命の人」と言われたことがあるらしい。)

去年の11月はうちに10日ほど滞在してくれたけど、今回は他の用事で来たから、2時間ほどで帰っていった。というか、今回の用事の主に文句言われながらも時間を割いて会ってくれたのだ。ありがとう。「また会えるよ」と言葉を残して彼女は去っていった。

駅の改札で、姿が見えなくなるまで私は突っ立って見送った。

「ページ更新しろよ」と彼女にも言われたから、ぼちぼち更新します。日誌も遡って記入していきますので、常連の読者の方はよろしく。


仮設日誌:ダメじゃん、ソフマップ リウカ 2001/06/19 21:54

iBook購入落ち穂拾いを少々。

iBookを買うとき、ソフマップで買おうかヨドバシで買おうか
少し悩んだ。ずっと品切れだったのに、たまたま先に行ったヨドバシで
在庫があったから即決したのであった。
が、同日、ソフマップにも寄ったらiBookを入荷していた。
ソフマップに惹かれていたのは、修理保証や下取り保証があるからだ。
しかし、店員の態度は好きではない。
以前、ソフマップで「○○はありますか」と尋ねたらすかさず「ない」と答えられた。
自分で棚を見てみると、それはあった。バカ野郎、あるじゃないかと
レジに突き出したが、すぐに忘れるのか詫びもしなかった。

DVD-ROMの画像を外部のTVに取り出す方法があるだろうと、
買った翌日にヨドバシに尋ねると専用のAVケーブル(¥2400)があるが、
現在は品切れだという。すぐに試したかったので、ソフマップへ行って、
質問すると、私が質問した店員は態度は悪くなかったが、私のすぐ横にいる
別の店員に質問して、まるで伝言ゲームのよう。答えとして、画像のコンバータ
(大体数万円)が必要だと言われた。純正品でケーブルがあるとヨドバシで
言っていたぞ、と言うと、見たことがないと返答した。純正品ですよ。
Mac館なのに、純正品のケーブルを見たことがないと言われて、
修理保証がなくても店員の対応がきびきびしているヨドバシで買って良かったかな
と思った。
ダメじゃん、ソフマップ。〔掲示板から転載〕


仮設日誌〜Macと格闘 リウカ 2001/06/18 20:31

7年前に初代PowerMacと一緒に購入したプリンタについてメーカに問いあわせる。
iBookを買った店で「iBookとの接続についてはメーカに聞いて下さい」と言われていたので。

返事としては既に製造も販売も中止しているボードがないと接続不可能というもの。
検索でDTPに詳しい人たちが集まる掲示板を探し、そこで事情を説明し、替りになるもの
はないかと尋ねたら、2時間もしないでレスがついた。ありがたい。
紹介された商品のメーカに再度問い合わせ。こちらの返事はまだ来ない。

ハードウェア診断機能が付いているから、Norton Utitilitesを持っていても
TechToolProを買っていた。TechToolProの発売元のWebページでは
OS9.0までは保証するが、9.1は動作確認中と書いてある。
が、9.0用のパッチがないと、次のアップグレードもできないだろうと思い、
9.0用のパッチのデータをダウンロード。
パッチを当てるためには自動的にインストールするようだが、これでシステムがハングアップ。
バカ野郎。再起動しても起動ファイル読み込み中にフリーズするという悪循環。
初CD-ROM起動。仕方ないのでTechToolProの機能拡張を外す。
システムの日付を1904年に変更などという悪さもしている。ダメじゃん。

検索でMacの修理保証を探して、下記のビットシステムという所の保険に加入。
Macはお断りというPC保険の方が多い。どうにかならんか。
その昔、PowerMacを買ったときには、JCOMというパソコン修理24時間サービスに
加入していた。名前は同じだが、ケーブルTVの会社とは関係ない。
明日入稿という夜中にQuarkがイカレたことがあって、こんなときのために
入っていたのだよと思いながら電話したら「全員出はらっております」との返事。
結局、役に立たなかった。この会社は会員に何の通知もないまま倒産しました。合掌。

ビットシステム:http://www.bitsystem.co.jp/all/

SpeedDoublerは結構、気に入っていたので9.1用もあるのかと思ったが、ない模様。
製造の予定もないらしい。Webで検索したら、9.1でSDを使うための裏ワザを
公開しているところがあって、その内容の細かさに呆れる。もっとも、その裏ワザは
9.0を持っていないと使えないので、私にはできない。私が7100で使っていたのは
8.1だから。

まだまだ使うぞスピードダブラー:http://www.jfast1.net/~mactech/speeddoublergood/sdformacos91.html

シマンテックのオンラインショップでNortonSystemWorksを購入。価格は1万8千円也。
旧バージョンの正規ユーザなのでヴァージョンアップサービスということになっているのだが、
1本につき8000円ぐらいとるというのは、新たに買っているのと大して変わらない感慨を持たせる。
必需品だから買うけど、もうちょっと安くならないのかな。〔掲示板から転載〕


6月16日

この日、新宿のヨドバシカメラのMac売り場で鳥肌実に第三種接近遭遇。
ちょっとカーキの入った黄色のヤクザ調スーツにゴールドのネックレス、ゴツイ指輪といった出で立ち。オーダーメイドだろうに何故かスラックスがつんつるてんなのだな。実物にそれまで会ったことのなかった私は、自分の中で鳥肌実が嶋田久作とリンクされていて、鳥肌中将のスケールが少し意外だった。眼差しが何か及川ミッチーに似ているとも思った。
「すみません、鳥肌実さんですか。あのぉ、友人が大ファンなんです」と言って、サインをもらった。
とはいえ、色紙など持ち歩いていないので、手帳にボールペンで書いてもらった。
「無為こそ過激 玉砕」とある。
サービスに握手もしてくれる。目を見て、握手。

サインは、鳥肌実の大ファンのYに後日送った。喜んでくれたので嬉しかった。


6月3日

昨晩は帰ってきてバタンキューで寝てしまったので、留守電が入っていたのに気付かなかった。Lからだった。何で夜なのに居ないのだとすねている。

仕事が全然進まないと思いながらLに電話。Lが遊びに来る。Lは私と居ると落ち着くのだという。波動測定のことを話し、「私が死んだらどうする?」と言ったら、Lは泣き出しそうになっていた。一緒に食事をして別れる。会える限りは、その時間を大事にしようと思った。

仕事は全然、進まない。


6月2日

Rの紹介で行った健康サロン(2001年5月25日の日誌参照)での波動測定の結果がFAXで送られてきた。「波動」と言うと知っている人は「ああ、アレね」と言うだろうが、知らない人はまったく知らない話だろう。歴史上では、アルバート・エイブラムスのラジオニクスが発端だと思われるが、十年ぐらい前にアメリカ人のウェインストックの開発した機械が日本でMRAという名で導入されたとき、「波動」という言葉が定着した。日本の学会ではサトルネルギー学会というのがあって、「波動」ではなくて「サトルエネルギー(微細なエネルギー)」が一応公式用語になるのだろうが、「波動」の方が一般化している。要するに物体が持っている情報を転写したり消去したりする技術群である。この辺の歴史は堤裕司編著『超意識の秘密―驚異のラジオニクスとは何か?』(コボリ出版)に詳しい。

多くの企業が陰に陽にこの波動計測器を導入していて、スジャータで有名なめいらくは社長自身が、波動についての著作を発表するぐらいのめり込んでいる。こうした事態を批判的に書いたものに『カルト資本主義』(文春文庫)があるが、『波動ビジネス最前線』(健康産業新聞社)を読めば、単に批判して済む次元ではないということが知れると思う。つまり、原理が科学で解明されていなかろうが、それを使うことでビジネス上のリスクが避けられたり、商品開発が楽になるのなら、多くの企業は使うのである。

で、私の測定結果。代謝、血液循環が最低最悪の数値。甲状腺・副甲状腺、自律神経、交感神経系、中脳水道、蜘蛛膜、中脳、側室脳、大脳皮質、視床下部、脳下垂体などが、のきなみ「重症」ないしは「細胞死あるいは機能停止状態」のレベルだという。「どうしてぴんぴんして生きているのか不思議だと測定者が言ってました」 要するに波動計測によると、私の脳は既に死んでいる状態なのだ。「何かに守られているんでしょうか?」 そんなこと言われたって、こちらは知らない(笑)。

ただ具合がよろしくないのは確かなので、更新がずっとなくてメールを書いても返事がなかったら、私は脳溢血で倒れていると思って下さい。人よりは健康に気を使って生活していたつもりだけど、足りなかったようです。私と会いたかったり、話したいという人は私の頭がまともな内にして下さいね。一応、治療は進めますが。

夕方、メールが届く。B社(「日常の断片」の「職場の虚脱」「B社編」参照)の同僚だったM野さん。といっても、M野さんはI永と結婚したので、今はI永姓なのだ。年賀状が遅れて届いて、ずっと返事を出しそびれていて、ついこないだ手紙を書いたのだ。その返事。遊びに来て下さいとある。あの二人なら、これは社交辞令ではないと思う。二人の子供も見てみたいし。

夜、大学のクラス会。N田くんから稲垣足穂の『彼等』を買う。これで河出文庫のタルホ・シリーズで欠けているのは『ヒコーキ野郎たち』だけ。オマケなのか何なのか、CANのビデオと吾妻ひでおの文庫本を2冊くれた。

吾妻ひでおの『不条理日記』は自分の半生の中でもエポックと言っていい読書体験だった。マンガを全部、処分したときに一緒に売ってしまったのだよね。懐かしい。

うるさい店で会話がなかなかスムーズに進まない。子育てにキレそうになっている奴、年下の男性と結婚間近という話をしたら、「どうやって騙したんだ?」と皆に攻めまくられる元「クラスのマドンナ」。親が死ぬような年というのも共通の話題になりましたね。しんみり。


6月1日

午前1時、電話が鳴る。出るとYだった。Yから電話が来るというのはどれくらいぶりだろう。7ヵ月ぶりぐらいだろうか。夜遅くにかけて「ゴメンね」と向こうは言うが、私は嬉しかった。一人で淋しいのだという。遠くに居て、私は直接には役に立たないのだから、こんなときに電話をかけてもらうのは、少しぐらい役に立っているのだと思えて気が楽になる。

色々懐かしい話もする。会いに行ったり、会いに来てくれたり……。辛いときばかり甘えてご免とYは言っていたが、辛いときに頼りにならないのでは自分が不甲斐ない。だから、それでいいのだ。Yが一番辛いときにだって一緒にいたのだから。Yに幸多からんことを。

母の書類に一部足りないものがあると電話があったので弟にそれを渡す約束をしていた。朝、駅のホームで待ちあわせて、それを渡した。「後はヨロシク頼む」と弟に敬礼して、私はまた遅刻しそうなのでタクシーに乗ったのだった。


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